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音楽家ヴォーリズ #5 One purpose, Doshisha, thy name
2006年3月16日
もっとも広く知られているヴォーリズの詩作が、今も歌い継がれる京都は同志社大学のカレッジ・ソング(Doshisha College Song)である。
まだ同志社に校歌のなかった時代、同志社に校歌をと切望した生徒たちのために宣教師たちは動く。 曲はドイツ民謡「ラインの守り」(その頃の宣教師の多くが出身者であったイェール大学の校歌のメロディでもあった)を使い、そして作詞者として当時宣教師たちと交流のあったヴォーリズが推薦された。
ヴォーリズは歌詞の意図を次のように語っている。
「同志社の性格はその名のワンパーパス(One purpose)です。そこに構想の根拠をおいて書き続けました。そして三節までは神のため、同志社のため祖国のためと歌いましたが、最後の第四節においては世界同胞のためと歌いました、広い世界的なものの見方が同志社にはほしい、との念願からです。 ・・・」
歌詞が作られたのはまだヴォーリズがいわゆる近江ミッションを展開しはじめるごく初期の時代にあり、周辺からの認知もなかった時代と思われる。
だからだろうか。 その歌詞には、ヴォーリズがこれから歩もうとする自らの人生をも重ね合わせ、奮い立たせる気持ちを歌いあげているように思えてならない。
もしかすると、この歌詞は同志社からの正式な依頼ではなく、まだ小さな一歩を踏み出したばかりのクリスチャン青年の素朴な詩に宿った想いを、当時の同志社にかかわりを持つ同志が偶然見出し、そして世に出たのではないだろうか・・・。
真実はこのことに関心を持たれる研究者の探求に託すとしよう。
ヒントのひとつは同志社大学の神学部による、ヴォーリズが拠点としていた八幡地方への伝道支援だ。 近江八幡教会の教会史や自叙伝の中に、新島譲の盟友でもあった初代オーティス・ケーリの名が登場することからも、ヴォ−リズの近江ミッションと同志社の関係はかなり早い時期からのもののようである。
同志社カレッジソング
http://www.doshisha.ac.jp/information/fun/song/song2.html
・・・つづく