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音楽家ヴォーリズ #4 献堂歌
2006年3月1日
一般的に讃美歌といえば、教会の礼拝で歌われることが知られている。
しかし他にも、例えば教会堂の献堂やキャンパスが完成したときなどに、それらを神様にささげるという意味で「讃美歌」を新たにつくって記念することがある。
ヴォーリズの詩集には、そのような意図で作られた「献堂歌」というものがある。
この讃美歌詩はヴォーリズ夫人である満喜子の出身校、神戸女学院が完成したときのもので、神戸女学院80年史にその邦訳が紹介されている。
詩の中には絶対者である神への信頼と奉仕、自分の誉でなく他者への思いやりという、ヴォーリズの誠実な信仰の姿を見る事が出来る。
「建築家」という響きには、往往にして「技術」や「技能」あるいは「芸術性」といった、一般人の立ち入りがたいイメ−ジがある。 しかし、不思議なほどヴォーリズはそうした垣根を感じさせず、親近感を持って迎えられることが多い。
それは建築も含めた彼の活動、その全ての根底に彼の「詩」や「音楽」と同じ香り、他者への思いやり、信頼と奉仕の心が流れているからではないかと思うのである。
・・・つづく