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音楽家ヴォーリズ #2 東と西の詩集
2006年2月1日
米国の一般讃美歌集(1909年)にも採用されていた、ヴォーリズの手による讃美歌236番。 その原詩は詩集 "Poems of the East and West" の中に"LET THERE BE LIGHT"という題で載せられている。
生涯詩作を愛したヴォーリズはメモや日記など、様々なところに詩を書き留め、いつかそれらをまとめ詩集をつくることを望んでいたが、1957年(昭和32)夏、病床につく。
ヴォーリズの想いを叶えるべく、満喜子夫人ら多くの者の働きによりそれら散らばっていた詩が拾い集められ、1960年(昭和35)ヒルトナー夫人らによって編まれたものが前述の詩集である。
日本でも近江兄弟社アメリカ財団から発行されていたが、日本では詩集そのものの存在を知っている方さえ少ないかもしれない。 この170頁、133篇の詩の中には、戦時中の苦しい時期の心情を思わせるもの、信仰を素直に歌いこんだものなど、様々な場面でのヴォーリズの心情が吐露されている。 この詩集がこれまであまり人の目に触れなかったことも、ある面で理解できるような詩も散見できる。
ただ、「詩」という内面的な心情を表現したものであることから、これを仮にヴォーリズの日本における生涯の精神史というような見方をするなら、ある意味で非常に興味深いものがある。
・・・つづく